カガエ カンポウ ブティック上野店の荒毛です。
つい先日TOHOシネマズ上野にて『インサイドヘッド2』観てきました。
大好きな前作がどう続くのか…期待して観ましたが、さすがピクサー、裏切らない出来です。まだ観てない方はぜひおすすめします。
前作『インサイドヘッド』もディズニープラスで観ましたが、あらためて見るとこれって漢方の考え方とマッチするな〜と感心しました。
どうマッチするの?と興味ある方はちょっと長いですがお付き合いください。
◼︎物語の大枠
映画は、主人公の女の子ライリーが生まれるところから始まります。
彼女の誕生とともにヨロコビ(喜)が生まれ、少し遅れてカナシミ(悲)が生まれます。
さらに成長とともにイカリ(怒)、ムカムカ(思)、ビビリ(恐)の感情も生まれます。彼ら5つの感情はヨロコビをリーダーにして、頭の中の司令室で、彼女の成長と幸せのために、日々奮闘していきます。
さて、5つの感情は、漢方の基礎である古代中国思想である「五行」の五志に当てはめることができます。
怒(イカリ)、喜(ヨロコビ)、思(ムカムカ)、悲(カナシミ)、恐(ビビリ)
それぞれが強すぎても弱すぎてもバランスを崩し、ひとつの感情が出過ぎてしまうと私たちのカラダに悪影響が出るといわれています。
◼︎感情からどのようなカラダの影響がでるのか?
怒則気上…怒りすぎると気が上がり、イライラ、頭痛、目の充血などがでます。
喜則気緩…喜びすぎると気が緩み、笑いが止まらない、ひどいと精神が乱れて失神します。嬉しすぎて気を失う(失神)が、わかりやすいかもしれません。
思則気結…思い悩みすぎると、気が詰まっていき食欲不振、胸やお腹が張る、消化不良など。ストレス感じて悩んでいるとお腹崩す人、多いのではないでしょうか。
悲則気消…悲しみすぎると気が消えていき、しゃべりたくない、無気力、ぼーっとしてくるなど
恐則気下…恐れすぎると気は下り、失禁、髪が抜ける、骨がもろくなる、精力減退など
『インサイドヘッド』の物語では、
喜(ヨロコビ)と悲(カナシミ)にクローズアップして描かれており、この関係性も絶妙に漢方の感情の考え方とマッチしています。
◼︎喜(ヨロコビ)が悲(カナシミ)を抑えようとするのは?
漢方の五行の考えでは、五臓と五志がリンクしています。ひとつの感情ばかり突出すると、体の機能(五臓)によくないため、ほかの感情が抑えていく「相克(そうこく)」という関係があります。
以下はその関係性です。
思勝恐、ムカムカはビビリに勝る
悲勝怒、カナシミはイカリに勝る
恐勝喜、ビビリはヨロコビに勝る
怒勝思、イライラはムカムカに勝る
喜勝悲、ヨロコビはカナシミに勝る
相克関係は悪い組み合わせではなく、片方が出すぎないようにもう一方が『まあまあその辺にしとこ~』とバランスをとってくれています。
過剰な感情はストレスになり、内臓に直接悪影響を及ぼしますので、ヨロコビはカナシミを抑えようとしていたのですね。
ただ過剰に感情を抑えこもうとするのも良くありません。
物語でもその辺がうまく描かれており、お互いの感情が和解するシーンで私はいつも感動して涙します。
感情は全てあって然るべき自然なものです。
悲しい時には悲しむ、喜ばしい時には喜ぶ、怒りたい時は怒るなど
また感情に従うだけでなく、私たちは感情を選ぶこともできます。
今自分の頭の中でどの感情が主導権を握っているのかを客観的に判断して、自分の意に沿わない感情だったら、立ち止まって感情をコントロールしてみてはいかがでしょうか。
私も意に沿わない感情が出た時は、「今イカリが頭の中にいるな」と物語のキャラクターを思い浮かべて、「ちょっとカナシミに力を借りよう」と感情のコントロールをしています。
イライラした時は、ゆったりとセンチメンタルな想いに浸るのもよし、悲しい気持ちが過剰な時は、少し口角をあげてにっこり好きなことをしてみるのもよしです。
現在上映中の『インサイドヘッド2』では、シンパイ(不安)イイナー(嫉妬)ハズカシ(恥)ダリィ(怠惰)の気持ちが新たなキャラクターが登場します。新たな感情が加わることで物語がどう進むのか・・・こちらは観てのお楽しみです!
ちなみに漢方の考えでは5つの感情に「憂い」と「驚き」をいれて七情という考えが加わります。七情の考え方は、またどこかのタイミングにでも。
【お得なお知らせ】
カガエ カンポウ ブティック上野店では、チケットの半券(デジタルチケットもOK)で店内商品5%OFFのお得なサービスも受けられます。ぜひ映画館にお越しの際はお立ち寄りください。
(チケ得サービス)漢方専門相談員が見る「インサイドヘッド」
24/09/26
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